2006年 07月 07日
Mr. Risk、ワシントンへ |
少し前になりますが、Business Weekに「Mr. Risk Goes to Washington」という記事が載っていました。ご存知の方も多いと思いますが、「Mr. Risk」とは今回アメリカの財務長官に氏名されたGoldman SachsのHenry Paulson元 CEOのことです。
同氏はGoldmanを引受業務やアドバイザリー業務を中心とした伝統的な投資銀行(証券会社)から、自らのバランスシートを用いてリスク投資を行う「投資会社」へと変貌させた立役者として知られており、またJP MorganやCitigroupと言った銀行系が投資銀行業務に本格的に乗り込んできた時代の変化に見事に対応して現在のGoldmanの黄金期を築いた功績が称えられることが多いようです。
確かにPaulson氏がGoldmanのトップになった99年以降、同社はトレーディングやプライベートエクイティ投資などを拡大して来たようで、その為の資金源として他人資本(レバレッジ)も積極的に活用してきたと言われます。その積極ぶりは日本での不良債権投資や銀行などへの出資などでも知られていると思いますが、同氏は「投資銀行は案件をアドバイスする際に積極的に自己資本をコミットすべきである」と強く主張して来たと言われています。
元来はアドバイザーや引受業者として、いわば仲介役に徹してきた投資銀行業界では、そのようなGoldmanのスタンスを、他の投資銀行の経営陣が「リスキー過ぎる」、「自分たちのやるべき範囲を逸脱している」などと批判するケースもよく見受けます。
それでもPaulson氏は、そのようなリスクを取ることで会社が傾くことのないよう徹底したリスク管理を行って来たと言われており、Business WeekではそのようなPaulson氏の「リスクとリターン」を見極める目こそが、歴史的な額の負債に苦しむ米財務省やブッシュ政権に必要だと論じていました。景気に減速感が出つつも金利上昇が続いている米国経済に同氏がどのようなインパクトを与えるか、今後の活躍が注目されます。
同氏は、同じくGoldman出身でクリントン政権で財務長官を務めていたRubin氏とも比較されますが、Business WeekによるとRubin氏はPaulson氏に比べると遥かに「慎重派」だったそうです。その理由としては、Rubin氏が勤めていた頃のGoldmanは未上場のパートナーシップであり、自社の資産を保全する必要性が高かったことがあるそうです。Rubin氏が率いたRisk Arbitrage自己トレーディング部門の出身者が大手ヘッジファンドを幾つも経営していることは興味深い所です。
ちなみに、そんなPaulson氏の個人資産は、6月にメディアなどで報道されたところによると$700mm(約800億円)に上るそうです。サラリーマン経営者にしては破格の金額な感じがしますが、資産の内訳はGoldmanの株券が$480mmと最大だそうで、上場前にパートナーに上り詰めた同社幹部の豊かさが伺えます。
それ以外の資産の多くが債券ファンドなど安定志向のファンドで運用されているそうで、リスクテイカーとして知られる同氏にしては意外にも映りますが、リスキーな本業との上手な「リスク分散」なのかもしれません。ちなみにヘッジファンドへの投資は5億円以下だそうで、運用先は元GSAMの社長であり90年代前半からロング中心のヘッジファンドを運用するLeon CoopermanのOmega Advisorsだそうです。
しかしPaulson氏の資産額を見ていると、最近村上ファンドへの出資による「儲け過ぎ」が叩かれている日銀の福井総裁が何ともかわいそうな感じがします。今まで日銀幹部の資産運用に関して明確なルールがなかったことも驚きではありますが、資産運用=お金儲け=悪い事、といった通念が相変わらず存在していることは、日本の市場発展の大きな障害になっていると言えるかもしれません。
同氏はGoldmanを引受業務やアドバイザリー業務を中心とした伝統的な投資銀行(証券会社)から、自らのバランスシートを用いてリスク投資を行う「投資会社」へと変貌させた立役者として知られており、またJP MorganやCitigroupと言った銀行系が投資銀行業務に本格的に乗り込んできた時代の変化に見事に対応して現在のGoldmanの黄金期を築いた功績が称えられることが多いようです。確かにPaulson氏がGoldmanのトップになった99年以降、同社はトレーディングやプライベートエクイティ投資などを拡大して来たようで、その為の資金源として他人資本(レバレッジ)も積極的に活用してきたと言われます。その積極ぶりは日本での不良債権投資や銀行などへの出資などでも知られていると思いますが、同氏は「投資銀行は案件をアドバイスする際に積極的に自己資本をコミットすべきである」と強く主張して来たと言われています。
元来はアドバイザーや引受業者として、いわば仲介役に徹してきた投資銀行業界では、そのようなGoldmanのスタンスを、他の投資銀行の経営陣が「リスキー過ぎる」、「自分たちのやるべき範囲を逸脱している」などと批判するケースもよく見受けます。
それでもPaulson氏は、そのようなリスクを取ることで会社が傾くことのないよう徹底したリスク管理を行って来たと言われており、Business WeekではそのようなPaulson氏の「リスクとリターン」を見極める目こそが、歴史的な額の負債に苦しむ米財務省やブッシュ政権に必要だと論じていました。景気に減速感が出つつも金利上昇が続いている米国経済に同氏がどのようなインパクトを与えるか、今後の活躍が注目されます。
同氏は、同じくGoldman出身でクリントン政権で財務長官を務めていたRubin氏とも比較されますが、Business WeekによるとRubin氏はPaulson氏に比べると遥かに「慎重派」だったそうです。その理由としては、Rubin氏が勤めていた頃のGoldmanは未上場のパートナーシップであり、自社の資産を保全する必要性が高かったことがあるそうです。Rubin氏が率いたRisk Arbitrage自己トレーディング部門の出身者が大手ヘッジファンドを幾つも経営していることは興味深い所です。
ちなみに、そんなPaulson氏の個人資産は、6月にメディアなどで報道されたところによると$700mm(約800億円)に上るそうです。サラリーマン経営者にしては破格の金額な感じがしますが、資産の内訳はGoldmanの株券が$480mmと最大だそうで、上場前にパートナーに上り詰めた同社幹部の豊かさが伺えます。
それ以外の資産の多くが債券ファンドなど安定志向のファンドで運用されているそうで、リスクテイカーとして知られる同氏にしては意外にも映りますが、リスキーな本業との上手な「リスク分散」なのかもしれません。ちなみにヘッジファンドへの投資は5億円以下だそうで、運用先は元GSAMの社長であり90年代前半からロング中心のヘッジファンドを運用するLeon CoopermanのOmega Advisorsだそうです。
しかしPaulson氏の資産額を見ていると、最近村上ファンドへの出資による「儲け過ぎ」が叩かれている日銀の福井総裁が何ともかわいそうな感じがします。今まで日銀幹部の資産運用に関して明確なルールがなかったことも驚きではありますが、資産運用=お金儲け=悪い事、といった通念が相変わらず存在していることは、日本の市場発展の大きな障害になっていると言えるかもしれません。
by harry_g
| 2006-07-07 08:17
| 投資銀行


