2006年 06月 29日
Wall St.での仕事の醍醐味 |
先日IT業界から証券業界への転職を考えている方から、「仕事の醍醐味は何ですか、働いていて楽しいと思えることは何ですか」という質問を頂きました。これは人によって、また職場環境や仕事の内容によってもかなり変わってくると思いますが、よく聞く話をまとめて書いてみたいと思います。
まず言えることは、ウォールストリートの仕事は「スポーツ」に似たような感覚があるということです。職種にもよりますが、トレーダーやファンドマネージャーなどは仕事の成果が「リターン」という形で明確に分かりますし、セールスやインベストメントバンカーであればコミッション額、案件数、案件規模と言う形で、アナリストであればランキングと言う形で、個人の実績が明確になります。
結果的に、日々勝負のような状況になり、世界中にいる競合に勝つために自己鍛錬に励まないといけなかったり、株式投資を行う際に長期に渡ってリターンを上げ続けるためにはマラソンのような持久力と精神力が必要だったりと、確かにスポーツとの類似点が多い気がします。
また証券業は、メディアと同様に「情報産業」であり、常に最新のニュースを頭に入れておく必要があります。その為、世界で何が起こっているか、世の中がどう変わっているかということに関心がある人にとっては、そういった時事問題を追うこと自体が仕事の一部となるという魅力があります。
グローバリゼーションの名目で市場の「国際化」が進んでいることも、働く上での醍醐味の一つかもしれません。外資系が特にそうなのかもしれませんが、実際にボーダーレスな市場環境で働いていることを実感する事が多いです。具体的には、クロスボーダーのM&Aや資金調達で海外の弁護士や格付機関と色々な交渉をしたり、株や債券の販売に関連して経営陣と一緒に欧米亜の投資家訪問をしたり、またグローバルファンドでNYやロンドンから世界中の株式、債券、不動産などの投資分析を行ったりという感じです。
また、醍醐味というのとは少々違うかもしれませんが、仕事が極めて「専門的」であるということも魅力の一つかもしれません。医者や弁護士のような立派な資格があるわけではありませんが、手に職と言える職業であるため、不景気で万が一会社に何かあっても安心ですし、優秀な人は同業他社に引き抜かれたりという事もあります。
他にもこの仕事の魅力として、専門性の高さが結果的に優秀な人材を惹きつけ、そういう人たちと働けるというのが非常によい刺激になったり、生活する上で非常に重要な「お金」に関する知識が自然と身についたりと、色々なことが考えられる気がします。
もちろん、以上のようなことにはマイナス面が伴います。
例えば結果が分かりやすいと言うことは、「結果が全て」と言う厳しさと同義であり、引き抜きがあると言うことはレイオフも頻繁に起こります。また、情報産業であるが故に休暇中だろうと常に世界の動きを気にしていなければなりません。
グローバルビジネスも聞こえは良いですが、実際には24時間仕事が終わらないことを意味したり、文化の違う人たちと神経をすり減らしながら働く羽目になることもあります。優秀な人材が集まるので、自分の適正がなかったりすると辛い思いをすることも少なくありません。そして究極的には、お金を右から左に動かすだけで、エンジニアやクリエイターのように、何か「形」のあるものを作り出すわけでもありません。
私は学生時代のアルバイトを除いて他の業界で働いたことはありませんが、事業法人に勤めている友人から話を聞いている限りでは、ウォールストリートは醍醐味も多いが苦労も多い、ある意味「ボラティリティの高い」業界な気がします。
そんな仕事への自分の適性を知りたい場合には、やはり実際にその仕事をしている人から話を聞くのが良いかと思います。昔のブログでも「投資銀行とは」や仕事の「ダウンサイド」のようなネタを書いたことがあるので、ご参考にして頂いても良いかもしれません。最近よく見る業界本や暴露本を読むことによって何となく内情をつかめるかと思います。
また、米国のMBAに行く事を考えているのであれば、ウォールストリートでの仕事に対する強い憧れの感情や失望感などを、実際に厳しい就職活動という競争に晒されながら、色々肌で感じられるかもしれません。
(写真はhttp://www.opendoorsuk.org.uk/article_ny_marathon.phpより)
まず言えることは、ウォールストリートの仕事は「スポーツ」に似たような感覚があるということです。職種にもよりますが、トレーダーやファンドマネージャーなどは仕事の成果が「リターン」という形で明確に分かりますし、セールスやインベストメントバンカーであればコミッション額、案件数、案件規模と言う形で、アナリストであればランキングと言う形で、個人の実績が明確になります。
結果的に、日々勝負のような状況になり、世界中にいる競合に勝つために自己鍛錬に励まないといけなかったり、株式投資を行う際に長期に渡ってリターンを上げ続けるためにはマラソンのような持久力と精神力が必要だったりと、確かにスポーツとの類似点が多い気がします。
また証券業は、メディアと同様に「情報産業」であり、常に最新のニュースを頭に入れておく必要があります。その為、世界で何が起こっているか、世の中がどう変わっているかということに関心がある人にとっては、そういった時事問題を追うこと自体が仕事の一部となるという魅力があります。
グローバリゼーションの名目で市場の「国際化」が進んでいることも、働く上での醍醐味の一つかもしれません。外資系が特にそうなのかもしれませんが、実際にボーダーレスな市場環境で働いていることを実感する事が多いです。具体的には、クロスボーダーのM&Aや資金調達で海外の弁護士や格付機関と色々な交渉をしたり、株や債券の販売に関連して経営陣と一緒に欧米亜の投資家訪問をしたり、またグローバルファンドでNYやロンドンから世界中の株式、債券、不動産などの投資分析を行ったりという感じです。
また、醍醐味というのとは少々違うかもしれませんが、仕事が極めて「専門的」であるということも魅力の一つかもしれません。医者や弁護士のような立派な資格があるわけではありませんが、手に職と言える職業であるため、不景気で万が一会社に何かあっても安心ですし、優秀な人は同業他社に引き抜かれたりという事もあります。
他にもこの仕事の魅力として、専門性の高さが結果的に優秀な人材を惹きつけ、そういう人たちと働けるというのが非常によい刺激になったり、生活する上で非常に重要な「お金」に関する知識が自然と身についたりと、色々なことが考えられる気がします。
もちろん、以上のようなことにはマイナス面が伴います。
例えば結果が分かりやすいと言うことは、「結果が全て」と言う厳しさと同義であり、引き抜きがあると言うことはレイオフも頻繁に起こります。また、情報産業であるが故に休暇中だろうと常に世界の動きを気にしていなければなりません。
グローバルビジネスも聞こえは良いですが、実際には24時間仕事が終わらないことを意味したり、文化の違う人たちと神経をすり減らしながら働く羽目になることもあります。優秀な人材が集まるので、自分の適正がなかったりすると辛い思いをすることも少なくありません。そして究極的には、お金を右から左に動かすだけで、エンジニアやクリエイターのように、何か「形」のあるものを作り出すわけでもありません。
私は学生時代のアルバイトを除いて他の業界で働いたことはありませんが、事業法人に勤めている友人から話を聞いている限りでは、ウォールストリートは醍醐味も多いが苦労も多い、ある意味「ボラティリティの高い」業界な気がします。
そんな仕事への自分の適性を知りたい場合には、やはり実際にその仕事をしている人から話を聞くのが良いかと思います。昔のブログでも「投資銀行とは」や仕事の「ダウンサイド」のようなネタを書いたことがあるので、ご参考にして頂いても良いかもしれません。最近よく見る業界本や暴露本を読むことによって何となく内情をつかめるかと思います。
また、米国のMBAに行く事を考えているのであれば、ウォールストリートでの仕事に対する強い憧れの感情や失望感などを、実際に厳しい就職活動という競争に晒されながら、色々肌で感じられるかもしれません。
(写真はhttp://www.opendoorsuk.org.uk/article_ny_marathon.phpより)
by harry_g
| 2006-06-29 10:19
| キャリア・仕事