2006年 04月 09日
インターネットの「進化論」 |
「世界中の情報を整理し尽す」 - この言葉を聞いて、何を思い浮かべるでしょうか。
これは検索エンジン大手Googleの会社理念だそうで、少し前に、東京にいる会社の同僚から勧められて読んだ「ウェブ進化論―本当の大変化はこれから始まる」(梅田望夫、ちくま新書)という本からの抜粋です。
この本は日本では相当売れているそうですが、インターネットの世界で今何が起きていて、今後10年くらいでその動きが世界にどういう影響を与えるかについて、実にうまくまとまっている本だと思いました。著者の梅田さんはシリコンバレーに10年以上在住するコンサルタント(?)で、業界では著名な方だそうです。
この本は内容が濃いのでそれをネタにいくつものブログが書けそうなのですが、特に興味深いと思ったのは、ウェブの「進化論」とまさに言うべきネット業界のトレンドと、その動きをリードしていると筆者が指摘するGoogleの話、そしてGoogleという企業の「組織」そのものについての話の3つです。自分の頭を整理するつもりで、ちょっと書いてみたいと思います。
まず「インターネット進化論」についてですが、今後予想されているインターネット業界のトレンドを一言で言うと、「技術の進化によって“知”の世界の秩序が再編され、そこに新しい経済圏が生まれる」と言うことのようです。
“知(情報)”の再編を可能にするのはGoogleを筆頭とする検索エンジンのテクノロジーの進化であり、誰もが簡単に情報を発信したり欲しい情報を探し当てられる世界がくれば、情報の一方的配信の色合いが強いメディアやネット業界の秩序は大きく変わるだろう、と言う話です。
我々が日頃から体感している通り、ネット上には実に様々な情報が玉石混交で存在しており、その中から「玉」を探し出すのは簡単なことではありません。よって私達は、結局大手のポータルやメディア企業がウェブ上で発信する情報を、最も信用に足る情報として利用しています。
そういったネットの利便性が生み出した経済的アップサイドへの期待感がバブル現象を産んだのは記憶に新しいところですが、バブル崩壊後も生き残ったのは、Yahoo!や楽天のように、ユーザーが有益と思えるような情報やサービスを提供した企業のみとなりました。そんなネット業界が今後はどうなって行くかと言うと、急速に進んでいる技術進歩によってネット上の「玉」の選別が容易になり、その結果メディアに代表される「知の世界の秩序」は大きく変わることが想像されているそうです。
この話の先にあるのは「群集の叡智(Wisdom of Crowds)」が結集されると言う現象で、世の中で価値があると判断される情報は、今のようにメディアや権威に人為的に選別されることなく、テクノロジーによって自動的に選別されていくであろう、と言う話のようです。Googleはこれを捉えて「ネット上での民主主義は成り立つ」と(本気で)言っているそうですが、何とも大きな話です。
もちろん著者はメディアや権威の価値を認めており、この変化はゆっくりと進行するであろうとも述べていますが、何か知りたいことがあったらテレビをつけるより検索エンジンに行くことが日常になっている私達の世代には、このような「情報選別プロセスの変化」は、何となく実感することが出来ます。
この動きが今後どのくらいのスピードで進むかは、利便性や技術の向上次第と言う感じがしますが、著者によるとこの動きは既に起こっており、それを支える「3大潮流」として、
「インターネット」
「チープ革命」
「オープンソース」
を挙げています。まず「インターネット」ですが、これが持つ最大の意味は、世界中の人や情報が簡単につながるようになったと言うことのようです。
そしてそんな世界を支えているのが、パソコンや情報通信機器の値段が格段に下がったという意味の「チープ革命」です。おかげで世界中の人々が、文字通りインターネットを介してつながることが出来るようになり、情報の発信や受取りは非常に自由なものになったというわけです。
そんな中で生まれた革新的なコンセプトが、群集の叡智を結集してシステムを開発することを可能にする、「オープンソース」と呼ばれるのコンセプトだそうです。「オープンソース」とは、元々はコンピュータプログラムの情報を一般に公表することで、不特定多数のプログラマーが趣味で書き換えていくことによって、より良いものが出来ていくと言う現象だそうです。おかげで今まで実現し得なかった、例えば難病の治療薬なども、より効率的に見つかるようになったそうで、インターネットの威力を感じます。
要は世界中がつながって便利になった、と言うのが「3大潮流」の本質と言う感じがしますが、その結果生まれた「3大法則」として、著者は以下の三つがあると言っています。
① 神の視点からの世界理解
② ネット上に作った自分の分身がカネを稼いでくれる新しい経済圏
③ 無限大×ほとんどゼロ=Something、または消えて失われていったはずの価値の集積
何だか難しそうですが内容は比較的わかりやすく、ます第一法則は、世の中に存在する無数の情報を集めて、全体として分類・分析することが出来るようになったと言うことのようです。ビジネスにとって、世間が何に興味を持っているかと言う情報は極めて貴重なものですが、検索エンジンなどに入力されたデータを見ることで、この情報を把握することが出来るようになったわけです。
第二法則は、第一法則で生まれた情報がオープンソースの考えに基づいて広くシェアされることで、それに基づく商売が生まれていく、と言う話のようです。この話はGoogleの例を見るとよく分かると思うので、また追って説明してみます。
そして第三法則は、「ロングテール」と呼ばれる、今まで見向きもされなかったニッチの情報や商品へのお金の流れの確立、と言うことのようです。検索エンジンの発達によって、興味さえあれば世の中に存在するいかなる情報にも人の目が届くようになりました。その結果、例えばAmazon.comの売り上げの3分の1が、既に忘れ去られたようなマイナーな書物等の売上げから上がっているそうです。これはまさしく「無限大の商品数×ほとんどゼロの売上高=大きなビジネスチャンス」と言えると思います。
そしてこの「3大潮流」と「3大法則」を全て利用し体言している企業として、著者はGoogleを挙げています。最初の話題だけでこんなに長くなってしまったので、その話はまた次回に書きたいと思います。
これは検索エンジン大手Googleの会社理念だそうで、少し前に、東京にいる会社の同僚から勧められて読んだ「ウェブ進化論―本当の大変化はこれから始まる」(梅田望夫、ちくま新書)という本からの抜粋です。
この本は日本では相当売れているそうですが、インターネットの世界で今何が起きていて、今後10年くらいでその動きが世界にどういう影響を与えるかについて、実にうまくまとまっている本だと思いました。著者の梅田さんはシリコンバレーに10年以上在住するコンサルタント(?)で、業界では著名な方だそうです。この本は内容が濃いのでそれをネタにいくつものブログが書けそうなのですが、特に興味深いと思ったのは、ウェブの「進化論」とまさに言うべきネット業界のトレンドと、その動きをリードしていると筆者が指摘するGoogleの話、そしてGoogleという企業の「組織」そのものについての話の3つです。自分の頭を整理するつもりで、ちょっと書いてみたいと思います。
まず「インターネット進化論」についてですが、今後予想されているインターネット業界のトレンドを一言で言うと、「技術の進化によって“知”の世界の秩序が再編され、そこに新しい経済圏が生まれる」と言うことのようです。
“知(情報)”の再編を可能にするのはGoogleを筆頭とする検索エンジンのテクノロジーの進化であり、誰もが簡単に情報を発信したり欲しい情報を探し当てられる世界がくれば、情報の一方的配信の色合いが強いメディアやネット業界の秩序は大きく変わるだろう、と言う話です。
我々が日頃から体感している通り、ネット上には実に様々な情報が玉石混交で存在しており、その中から「玉」を探し出すのは簡単なことではありません。よって私達は、結局大手のポータルやメディア企業がウェブ上で発信する情報を、最も信用に足る情報として利用しています。
そういったネットの利便性が生み出した経済的アップサイドへの期待感がバブル現象を産んだのは記憶に新しいところですが、バブル崩壊後も生き残ったのは、Yahoo!や楽天のように、ユーザーが有益と思えるような情報やサービスを提供した企業のみとなりました。そんなネット業界が今後はどうなって行くかと言うと、急速に進んでいる技術進歩によってネット上の「玉」の選別が容易になり、その結果メディアに代表される「知の世界の秩序」は大きく変わることが想像されているそうです。
この話の先にあるのは「群集の叡智(Wisdom of Crowds)」が結集されると言う現象で、世の中で価値があると判断される情報は、今のようにメディアや権威に人為的に選別されることなく、テクノロジーによって自動的に選別されていくであろう、と言う話のようです。Googleはこれを捉えて「ネット上での民主主義は成り立つ」と(本気で)言っているそうですが、何とも大きな話です。
もちろん著者はメディアや権威の価値を認めており、この変化はゆっくりと進行するであろうとも述べていますが、何か知りたいことがあったらテレビをつけるより検索エンジンに行くことが日常になっている私達の世代には、このような「情報選別プロセスの変化」は、何となく実感することが出来ます。
この動きが今後どのくらいのスピードで進むかは、利便性や技術の向上次第と言う感じがしますが、著者によるとこの動きは既に起こっており、それを支える「3大潮流」として、
「インターネット」
「チープ革命」
「オープンソース」
を挙げています。まず「インターネット」ですが、これが持つ最大の意味は、世界中の人や情報が簡単につながるようになったと言うことのようです。
そしてそんな世界を支えているのが、パソコンや情報通信機器の値段が格段に下がったという意味の「チープ革命」です。おかげで世界中の人々が、文字通りインターネットを介してつながることが出来るようになり、情報の発信や受取りは非常に自由なものになったというわけです。そんな中で生まれた革新的なコンセプトが、群集の叡智を結集してシステムを開発することを可能にする、「オープンソース」と呼ばれるのコンセプトだそうです。「オープンソース」とは、元々はコンピュータプログラムの情報を一般に公表することで、不特定多数のプログラマーが趣味で書き換えていくことによって、より良いものが出来ていくと言う現象だそうです。おかげで今まで実現し得なかった、例えば難病の治療薬なども、より効率的に見つかるようになったそうで、インターネットの威力を感じます。
要は世界中がつながって便利になった、と言うのが「3大潮流」の本質と言う感じがしますが、その結果生まれた「3大法則」として、著者は以下の三つがあると言っています。
① 神の視点からの世界理解
② ネット上に作った自分の分身がカネを稼いでくれる新しい経済圏
③ 無限大×ほとんどゼロ=Something、または消えて失われていったはずの価値の集積
何だか難しそうですが内容は比較的わかりやすく、ます第一法則は、世の中に存在する無数の情報を集めて、全体として分類・分析することが出来るようになったと言うことのようです。ビジネスにとって、世間が何に興味を持っているかと言う情報は極めて貴重なものですが、検索エンジンなどに入力されたデータを見ることで、この情報を把握することが出来るようになったわけです。
第二法則は、第一法則で生まれた情報がオープンソースの考えに基づいて広くシェアされることで、それに基づく商売が生まれていく、と言う話のようです。この話はGoogleの例を見るとよく分かると思うので、また追って説明してみます。
そして第三法則は、「ロングテール」と呼ばれる、今まで見向きもされなかったニッチの情報や商品へのお金の流れの確立、と言うことのようです。検索エンジンの発達によって、興味さえあれば世の中に存在するいかなる情報にも人の目が届くようになりました。その結果、例えばAmazon.comの売り上げの3分の1が、既に忘れ去られたようなマイナーな書物等の売上げから上がっているそうです。これはまさしく「無限大の商品数×ほとんどゼロの売上高=大きなビジネスチャンス」と言えると思います。
そしてこの「3大潮流」と「3大法則」を全て利用し体言している企業として、著者はGoogleを挙げています。最初の話題だけでこんなに長くなってしまったので、その話はまた次回に書きたいと思います。
by harry_g
| 2006-04-09 08:50
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