2006年 03月 18日
住宅価格上昇のなぞ |
最近アメリカでは住宅市場が弱含んでいると言われますが、全米平均の住宅価格は引続き堅調に上昇を続けています。需要が弱まっているのにそんなおかしなことがあるか、と言う感じがしますが、そのカラクリをMarket WatchのチーフエコノミストであるIrwin Kellner氏が分かりやすく説明していました。

まず重要なのが、「住宅価格」とは実際に売れた家の値段の平均を取っており、必ずしも「今売ったら幾らになるか」と言う数値を出しているわけではないと言うことです。結果として、先月と今月では全く違った家が売買されるわけですから、そこに非一貫性が生じてしまいます。また、売り手が買い手に対するインセンティブとして家具のアップグレードやら何やらを約束したとしても、それは価格に反映されません。よってそういう形で現れる供給過剰は住宅価格と言う数値には反映されないことになります。
次に、この数値はあくまで「平均値」や「中間値」であるため、売れた家の中に高額なものが沢山含まれていれば、その分だけ数値は上昇してしまうことになります。金利が上昇してくると、低所得者で多額の借入れをしないと家を買えないような人はその煽りをもろに受けることになります。反面、高額所得者で金利にさほど敏感でない層は、引続き高額の家を買うため、それが「平均値」を押し上げてしまう可能性があるわけです。
最後に、アメリカの新築住宅は、年を追って大きくなっているそうです。Market Watchの記事によると、現在の平均的な新築住宅の広さは2400 sq.ft.(223㎡)で、1990年から15%広くなっているそうです。その結果家の値段は自然と上がることになり、それがまた「平均値」を押し上げる原因になっていると言うわけです。
要するに、統計で見る住宅価格の上昇は間違っている可能性が高いと言うことになるのでしょう。これだけ金利が上がってきて住宅購入需要が弱まっていれば、価格は落ちてきて当然です。特に前から書いているように、Affordabilityと比較して明らかに割高な地域の住宅は、価格調整が避けられないと思います。
私の住んでいるマンハッタンでも、1年前と比べて売れ残る物件の数が二倍近くになっていると聞きます。これは近い将来に確実に価格下落につながってくると思います。もちろん、場所柄価格が暴落したり下落し続ける可能性は低いと思いますが、90年代前半には10年近くに渡って価格が下落したり停滞したりしたらしいので、何とも言えません。
アメリカの中央銀行(Fed)も、「住宅価格の下落を抑えることを政策目標としない」と公言しています。中央銀行の政策目標は、言わずと知れた「インフレなき経済成長の持続」であり、その目標を達成するために、過去数年にわたってFedが段階的に金利を引き上げているのはご存知の通りです。そしてこれは当然住宅市場にはマイナスなわけですが、一部の市場関係者が期待するような、「投資家保護」的な考慮はしない、との意思表示なのでしょう。
不動産市場は非常に「地域的」なもので、アメリカの中でも値下げが顕著なところもあれば、引続き値上りが続いているようなところもあります。また、物件価格の上下にかかわらず、毎月のキャッシュフローがポジティブであれば、機会費用以外に不動産を持ち続けるコストは特に無いことになります。この辺りを見極めることが、投資判断にとって重要となって来そうです。
(写真はNY Fedのサイトより)

次に、この数値はあくまで「平均値」や「中間値」であるため、売れた家の中に高額なものが沢山含まれていれば、その分だけ数値は上昇してしまうことになります。金利が上昇してくると、低所得者で多額の借入れをしないと家を買えないような人はその煽りをもろに受けることになります。反面、高額所得者で金利にさほど敏感でない層は、引続き高額の家を買うため、それが「平均値」を押し上げてしまう可能性があるわけです。
最後に、アメリカの新築住宅は、年を追って大きくなっているそうです。Market Watchの記事によると、現在の平均的な新築住宅の広さは2400 sq.ft.(223㎡)で、1990年から15%広くなっているそうです。その結果家の値段は自然と上がることになり、それがまた「平均値」を押し上げる原因になっていると言うわけです。
要するに、統計で見る住宅価格の上昇は間違っている可能性が高いと言うことになるのでしょう。これだけ金利が上がってきて住宅購入需要が弱まっていれば、価格は落ちてきて当然です。特に前から書いているように、Affordabilityと比較して明らかに割高な地域の住宅は、価格調整が避けられないと思います。
私の住んでいるマンハッタンでも、1年前と比べて売れ残る物件の数が二倍近くになっていると聞きます。これは近い将来に確実に価格下落につながってくると思います。もちろん、場所柄価格が暴落したり下落し続ける可能性は低いと思いますが、90年代前半には10年近くに渡って価格が下落したり停滞したりしたらしいので、何とも言えません。
アメリカの中央銀行(Fed)も、「住宅価格の下落を抑えることを政策目標としない」と公言しています。中央銀行の政策目標は、言わずと知れた「インフレなき経済成長の持続」であり、その目標を達成するために、過去数年にわたってFedが段階的に金利を引き上げているのはご存知の通りです。そしてこれは当然住宅市場にはマイナスなわけですが、一部の市場関係者が期待するような、「投資家保護」的な考慮はしない、との意思表示なのでしょう。
不動産市場は非常に「地域的」なもので、アメリカの中でも値下げが顕著なところもあれば、引続き値上りが続いているようなところもあります。また、物件価格の上下にかかわらず、毎月のキャッシュフローがポジティブであれば、機会費用以外に不動産を持ち続けるコストは特に無いことになります。この辺りを見極めることが、投資判断にとって重要となって来そうです。
(写真はNY Fedのサイトより)
by harry_g
| 2006-03-18 08:30
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