2005年 12月 07日
ウォールストリートのジュニアバンカー |
先日IBで身につくスキルについて書きましたが、アメリカでは仕事で求められるスキルが、収益責任があるVP以上のシニアバンカーとアソシエイト以下のジュニアバンカーとでだいぶ異なります。
日本と比べて顧客に対する提案内容に数的分析を多用するアメリカでは、ジュニア時代にはテクニカル(分析)スキルや数字を見る目が徹底的に養われます。そしてシニアになるに連れてクライアントスキルが必要となってくるのですが、それでもジュニア時代に要求されるスキルが不要になるわけではなく、みんなどんどん数的分析に関してマニアックになって行きます。(よってVPレベル以上で他業種から転職してくるケースは極めて稀で、大抵の人が投資銀行のアソシエイトかM&A弁護士のキャリアを経験しています。)
シニアバンカーに要求されるコミュニケーションなどのスキルについてはIB以外と比較的共通でしょうから、むしろ軍隊にも例えられるアメリカのIBで「ジュニアバンカー」として成功する(生き残る)ために求められる資質について考えてみました。
◆数字を徹底的に詰める能力がある
→「何となく」が通用しない世界なので数値を詰める能力は極めて重要
◆細かい点に意識が行き渡る
→信用が重要なため資料作成などでミスは認められない
◆モチベーションが高く激務をこなすパワーがある
→プロフェッショナルとしての仕事への「Commitment」などと言われる
◆チームプレーヤーである
→「Attitude」と言って極めて重視される(基本的に上司には絶対服従)
◆自己アピールが上手い
→「出る杭のみ生き残る」はアメリカ競争社会の基本
大組織のアメリカのIBでは、ジュニアバンカーの中でも「アナリスト」と「アソシエイト」で役割分担がはっきりしています。学卒から3年以下のアナリストの仕事は、財務モデリングやデータ集めと言った分析作業やその他全ての下請け作業全般で、MBA以上のアソシエイトが、アナリストに作業指示を出し、作業内容をチェックし、作業結果に責任を取る、と言う感じです。
こう聞くとアソシエイトの方が大分楽そうですが、実際はむしろその逆かもしれません。投資銀行の労働時間が過酷なことはよく知られており、軍隊的なカルチャーのアメリカの投資銀行では、確かにアナリストライフは相当キツイものがあります。それでもアナリストの働きぶりや分析能力を見ていると、一体どこで習得したのかと驚かされることが多いです。
投資銀行に入ってくる学生の多くが経済学とエンジニアリングの二重専攻であるため、数値的なことと社会科学的なことの両面に通じているケースが多い上、スポーツか何かで鍛えたのか、精神的なマチュリティのレベルも相当なものです。
最近ウォールストリートでは、アナリストの中でも特に優秀な人間は、2年間投資銀行で「武者修行」に耐えた後、MBAをスキップしてアソシエイトに昇進するか、BlackstoneやMDPと言った大手LBOファンドに「破格」の給料で引き抜かれて行きます。そしてそこでまた2年間の修行(一応アソシエイト・プログラムと呼ばれます)を行ったうえでMBAに行き、更なるステップアップを目指すと言うわけです。
そんな優秀なアナリストを使わなければいけないアソシエイトには、ご想像通りもの凄いプレッシャーがかかります。まあ当然なのですが、投資銀行では、「分析能力」が劣る人間、言い換えると「数字が苦手な人間」が、特に「失格」の烙印を押されてしまいがちです。実際優秀なアナリスト達は、アソシエイトが財務モデリングなどの仕事が出来ないと見るや否や、一切言うことを聞かなくなってしまいます。(逆にモデリングに強いと尊敬されたりします。)
よってアソシエイトには、アナリストを上回るような分析能力や仕事の処理能力、更には相当なコミュニケーション能力や自信に満ちた態度(リーダーシップ)が求められます。よってアソシエイト成り立ての頃は、もしかしたらIBでの全キャリアの中で一番大変な時期なのかもしれません。
私自身もアナリスト時代をマーケットサイドと海外で過ごしたこともあり、NYでアソシエイトに成り立ての頃には色々苦労しました。それでもそれを乗り越えないと本当の意味でのコーポレートファイナンスの知識(スキル)が身に着かないわけで、言ってみれば「誰もが通る道」なのかもしれません。
その道はどこかで終わるといったものではないのですが、先に進むにつれてウォールストリートの旅がカラフル且つ楽になることは間違いないと思います。
日本と比べて顧客に対する提案内容に数的分析を多用するアメリカでは、ジュニア時代にはテクニカル(分析)スキルや数字を見る目が徹底的に養われます。そしてシニアになるに連れてクライアントスキルが必要となってくるのですが、それでもジュニア時代に要求されるスキルが不要になるわけではなく、みんなどんどん数的分析に関してマニアックになって行きます。(よってVPレベル以上で他業種から転職してくるケースは極めて稀で、大抵の人が投資銀行のアソシエイトかM&A弁護士のキャリアを経験しています。)シニアバンカーに要求されるコミュニケーションなどのスキルについてはIB以外と比較的共通でしょうから、むしろ軍隊にも例えられるアメリカのIBで「ジュニアバンカー」として成功する(生き残る)ために求められる資質について考えてみました。
◆数字を徹底的に詰める能力がある
→「何となく」が通用しない世界なので数値を詰める能力は極めて重要
◆細かい点に意識が行き渡る
→信用が重要なため資料作成などでミスは認められない
◆モチベーションが高く激務をこなすパワーがある
→プロフェッショナルとしての仕事への「Commitment」などと言われる
◆チームプレーヤーである
→「Attitude」と言って極めて重視される(基本的に上司には絶対服従)
◆自己アピールが上手い
→「出る杭のみ生き残る」はアメリカ競争社会の基本
大組織のアメリカのIBでは、ジュニアバンカーの中でも「アナリスト」と「アソシエイト」で役割分担がはっきりしています。学卒から3年以下のアナリストの仕事は、財務モデリングやデータ集めと言った分析作業やその他全ての下請け作業全般で、MBA以上のアソシエイトが、アナリストに作業指示を出し、作業内容をチェックし、作業結果に責任を取る、と言う感じです。
こう聞くとアソシエイトの方が大分楽そうですが、実際はむしろその逆かもしれません。投資銀行の労働時間が過酷なことはよく知られており、軍隊的なカルチャーのアメリカの投資銀行では、確かにアナリストライフは相当キツイものがあります。それでもアナリストの働きぶりや分析能力を見ていると、一体どこで習得したのかと驚かされることが多いです。
投資銀行に入ってくる学生の多くが経済学とエンジニアリングの二重専攻であるため、数値的なことと社会科学的なことの両面に通じているケースが多い上、スポーツか何かで鍛えたのか、精神的なマチュリティのレベルも相当なものです。
最近ウォールストリートでは、アナリストの中でも特に優秀な人間は、2年間投資銀行で「武者修行」に耐えた後、MBAをスキップしてアソシエイトに昇進するか、BlackstoneやMDPと言った大手LBOファンドに「破格」の給料で引き抜かれて行きます。そしてそこでまた2年間の修行(一応アソシエイト・プログラムと呼ばれます)を行ったうえでMBAに行き、更なるステップアップを目指すと言うわけです。
そんな優秀なアナリストを使わなければいけないアソシエイトには、ご想像通りもの凄いプレッシャーがかかります。まあ当然なのですが、投資銀行では、「分析能力」が劣る人間、言い換えると「数字が苦手な人間」が、特に「失格」の烙印を押されてしまいがちです。実際優秀なアナリスト達は、アソシエイトが財務モデリングなどの仕事が出来ないと見るや否や、一切言うことを聞かなくなってしまいます。(逆にモデリングに強いと尊敬されたりします。)
よってアソシエイトには、アナリストを上回るような分析能力や仕事の処理能力、更には相当なコミュニケーション能力や自信に満ちた態度(リーダーシップ)が求められます。よってアソシエイト成り立ての頃は、もしかしたらIBでの全キャリアの中で一番大変な時期なのかもしれません。
私自身もアナリスト時代をマーケットサイドと海外で過ごしたこともあり、NYでアソシエイトに成り立ての頃には色々苦労しました。それでもそれを乗り越えないと本当の意味でのコーポレートファイナンスの知識(スキル)が身に着かないわけで、言ってみれば「誰もが通る道」なのかもしれません。その道はどこかで終わるといったものではないのですが、先に進むにつれてウォールストリートの旅がカラフル且つ楽になることは間違いないと思います。
by harry_g
| 2005-12-07 17:12
| キャリア・仕事


