2005年 12月 05日
IBのスキルの汎用性 |
先日のブログでも若干触れましたが、IBと言う仕事の魅力の一つに、身につくスキルの「汎用性」があると思います。
IBの仕事は簡単に言うと、クライアントに対して戦略・財務面での色々な提案をする仕事です。そのため高等数学は駆使しないまでも、かなり細かな財務分析の作業や、プレゼンテーションの作成に当たっての様々なリサーチ作業などが必要になってきます。
こういった作業を担当するのはジュニアバンカーなのですが、こういった作業を通じて、産業界の動きやマーケットのトレンドについてどうリサーチをするか、限定的な情報を元に如何に財務分析やバリュエーションをするかなど、いわゆる「分析」的なスキルが養われます。また仕事の性質上、アウトプットには会社の「信用」を損ねないようなレベルのものが要求されるため、このプロセスで厳しい「規律」が叩き込まれるのは、以前に友人がコメントの書き込みをしてくれた通りです。
こうした分析的作業に加えて、業務をスムーズに行うためのコミュニケーション能力やチームプレー/リーダーシップ能力、またシニアになるに従ってプレゼンテーション能力や交渉能力など、金融ビジネス以外でも広く必要とされそうな様々なスキルも同時に要求されます。そして効率性を追求するIBでは、こういったスキルをトレーニングなどを通じて意識的に強化するよう努める傾向があります。
そんなこんなでIBは、ファイナンスの仕事でありながら、何となく「スキル養成学校」のような趣があります。よってこれも以前に書きましたが、IB出身者はマーケットサイド出身の人と比べると、業界を去った後も様々なことをやっているようです。主な行き先としては、
事業法人の財務部/戦略部
PEファンド
ベンチャーキャピタル
ロング・ショートのヘッジファンド
独立・起業
などなどです。実際に元同僚の中でも、地元コロラドに帰って小さい事業を買収しそこのCEOをやっている人間、シリコンバレーのVCに入った人間、ハリウッドスタジオの戦略部門に移った人間、ボストンのPEファームに移った人間、知人とヘッジファンドを立ち上げた人間など、実に色々なことをやっている人がいます。
この点は戦略系コンサルティングファームも似たような所があると聞きますが、特に独立・起業に関しては、コンサル出身者の方が有利な気がします。それに対してIB出身者は、どうしても財務分析的な能力が強みであるため、どちらかと言うと買収ファンドなどに行く傾向が強いかもしれません。
ともかく、就業時間が長く色々ポリティカルな面も多いIBの仕事は、マーケットサイドの部署などから「金儲けが目的なら何でそんな面倒くさいことをするのか」のように言われることも多いですし、「IBのダウンサイド」で書いたような非効率さが生まれることもあります。実際そういった指摘の大半はその通りなのですが、身につくスキルや経験出来る事の幅広さを考えると、色々なダウンサイドを差し引いても得られるものは多いのではと思います。
IBの仕事は簡単に言うと、クライアントに対して戦略・財務面での色々な提案をする仕事です。そのため高等数学は駆使しないまでも、かなり細かな財務分析の作業や、プレゼンテーションの作成に当たっての様々なリサーチ作業などが必要になってきます。
こういった作業を担当するのはジュニアバンカーなのですが、こういった作業を通じて、産業界の動きやマーケットのトレンドについてどうリサーチをするか、限定的な情報を元に如何に財務分析やバリュエーションをするかなど、いわゆる「分析」的なスキルが養われます。また仕事の性質上、アウトプットには会社の「信用」を損ねないようなレベルのものが要求されるため、このプロセスで厳しい「規律」が叩き込まれるのは、以前に友人がコメントの書き込みをしてくれた通りです。
こうした分析的作業に加えて、業務をスムーズに行うためのコミュニケーション能力やチームプレー/リーダーシップ能力、またシニアになるに従ってプレゼンテーション能力や交渉能力など、金融ビジネス以外でも広く必要とされそうな様々なスキルも同時に要求されます。そして効率性を追求するIBでは、こういったスキルをトレーニングなどを通じて意識的に強化するよう努める傾向があります。
そんなこんなでIBは、ファイナンスの仕事でありながら、何となく「スキル養成学校」のような趣があります。よってこれも以前に書きましたが、IB出身者はマーケットサイド出身の人と比べると、業界を去った後も様々なことをやっているようです。主な行き先としては、
事業法人の財務部/戦略部
PEファンド
ベンチャーキャピタル
ロング・ショートのヘッジファンド
独立・起業
などなどです。実際に元同僚の中でも、地元コロラドに帰って小さい事業を買収しそこのCEOをやっている人間、シリコンバレーのVCに入った人間、ハリウッドスタジオの戦略部門に移った人間、ボストンのPEファームに移った人間、知人とヘッジファンドを立ち上げた人間など、実に色々なことをやっている人がいます。
この点は戦略系コンサルティングファームも似たような所があると聞きますが、特に独立・起業に関しては、コンサル出身者の方が有利な気がします。それに対してIB出身者は、どうしても財務分析的な能力が強みであるため、どちらかと言うと買収ファンドなどに行く傾向が強いかもしれません。
ともかく、就業時間が長く色々ポリティカルな面も多いIBの仕事は、マーケットサイドの部署などから「金儲けが目的なら何でそんな面倒くさいことをするのか」のように言われることも多いですし、「IBのダウンサイド」で書いたような非効率さが生まれることもあります。実際そういった指摘の大半はその通りなのですが、身につくスキルや経験出来る事の幅広さを考えると、色々なダウンサイドを差し引いても得られるものは多いのではと思います。
by harry_g
| 2005-12-05 16:29
| キャリア・仕事