2005年 11月 06日
カレッジフットボール |
アメリカに住むことの魅力の一つに、スポーツエンタテインメントの充実があります。アメリカにはNFL(プロフットボール)、MLB(プロ野球)、NBA(プロバスケ)、NHL(プロホッケー)の4大プロスポーツがあり、一年中最低そのうち一つはオンシーズンになっています。
中でも一番人気があるのはNFLです。フットボールはスピード、パワー、知性、チームプレーの全てを要するため、アメリカ人のフットボール好きは半端ではありません。毎年Forbesが誌発表するプロスポーツチームのバリュエーションでも一番高いのはNFLのチームで、試合数が他のスポーツに比べてはるかに少ないにも関わらず、試合の放送権などもものすごい金額で取引されます。
そのNFLですが、選手の多くは大学でフットボールをプレーしていた経験があり、全米大学フットボール(カレッジフットボール、NCAA)が日本のプロ野球にとっての高校野球のような役割を果たしています。
アメリカでは、NFLの人気にも増してカレッジフットボールの人気ぶりも尋常ではありません。シーズンは秋冬ですが、毎週土曜日になると、地元にいればみんなスタジアムやその脇の駐車場に繰り出してBBQをしたり試合を観て騒いだり、地元にいなくてもスポーツバーや友達の家に集まって大盛り上がりです。多くの試合が10万人近い観客を動因することを考えると、その人気ぶりが伺えます。
私自身も留学先の大学が強いのでカレッジフットボールの大ファンですが、その異様なまでの人気の秘訣はなのか、会社の若者達に聞いてみました。以下にその翻訳(ほぼ無修正)を載せます。フットボールに全く興味なくても、結構面白いのでよかったら。
◆ 人々は様々な理由から大学との「つながり(コネクション)」を感じ、それはプロチームとのコネクションより強いことが多い。例えばMinneapolisに住むミネソタ大学出身者は、Vikings(NFLチーム)よりもGophers(大学チーム)により強いコネクションを感じるものである。(広い国土に対してプロチームの数が限られていること、フランチャイズの移動が頻繁に行われることなども、プロチームより大学チームに、より強いコネクションを感じる人が多いことの理由と思われる)
◆ 大学生はプロ選手と違って巨額の契約金を受け取らないので、「心の歪んだ(Spoiled)」アスリートの問題が少ない。どんなに大物でもTerrell Owensのような「歪んだ野郎」とのコネクションを感じるのは極めて困難。(他にもPhiladelphia EaglesのTerrell Owensの態度を、世界は自分の物のように振舞う態度は許せない、Terrell Owensシンドローム=腐ったプロスポーツ選手問題の代名詞、との意見多数。ちょうど今日だか同氏は出場停止処分を受けた。)
それに対してUSC(南カリフォルニア大学)のクオーターバックで去年ハイズマン・トロフィー(MVP)を獲得したMatt Leinartは、今でも私欲ではなく大学のために心を入れてプレーしているのが伝わってくる。今年USCがライバルNotre Dameに最後の数秒で逆転勝利した後にMatt Leinartが流した涙=「Priceless」。
◆ 大学は4年間しかなく、限られた試合数の内で全てを出し切らなければいけないので、よりガッツのあるプレーが見れる。選手もいいプレーを見せないとNFLに入れないので必死である。4年間を通じての選手の成長ぶりと、NFLに入った後の活躍をフォローしていくのは大変楽しい。
◆ 大学間での力が拮抗しており、シーズンを通じて「確実に勝てる」と言う試合が極めて少ないため、興奮度を煽る。
◆ NFLと違い、カレッジでは複雑なシステム(BCSと呼ばれるコンピュータシステム)によって計算されたランキングが全大学に「毎週」付与される。そして試合毎にランキングが上下するため大きな注目の対象となる。(今週は4位のあそこが8位のあそこに負けたらしい!うちの大学のランキングはどうなるのか?みたいに。)
◆ BCSシステムには異論反論が多く、システムは毎年のように変更される。よって「どうなるか分からない」感が面白い。これはプロでは考えられないことで、プレーオフなどでランキングをはっきりさせるが、カレッジにはプレーオフもなく、チャンピオン決定戦の前後まで「いやあっちが上だ、こっちが上だ」と言う議論が尽きない。
◆ シーズンが8月末から11月末と短いため、全ての試合結果が極めて重要となる。NFLのBearsは2勝7敗から復活してディビジョン優勝をすることも可能だろうが、カレッジのチームは2勝4敗でも、リーグ(Big Ten、Pac Tenなど)優勝さえ決めるのは不可能となる。
◆ 大学間のライバル戦(早慶戦のようなもの)は長い歴史があり、「NY出身だからBostonは嫌い」と言うレベルのものではない。みんなライバルチームにだけは絶対に負けたくないと真剣に考えており、それが何世代にも渡って続いている。(ライバル戦の前にはみんな車の後ろに紐をくくりつけてライバル校のマスコットを引きずって走ったり、ヘリコプターでキャンパスを急襲してマスコットの銅像にペンキをかけるなどの事件も。)
◆ カレッジフットボールには、他のスポーツにない独特の伝統がある。歴史あるトロフィーの懸かった試合、勝った後にヘルメットにステッカーをつける伝統、相手チームのロッカールームがピンク一色で統一されているなど、その大学のファンでなくても注目したくなる試合が沢山ある。
◆ 大学ごとの応援歌(Fight Songs)。これには説明はいらない。(訳注:アメリカの大学は応援歌を誇りに思っており、自分の車のクラクションを大学の応援歌に改造したり、結婚式で流したりする人がいるほど。試合中頻繁にかかる応援歌は頭に残るため、シーズン中は職場でも、みんなどこかの大学の応援歌を口ずさんでいたりする)
◆ 応援歌を演奏するマーチングバンドの存在。これはプロにはない楽しさである。いいプレーやタッチダウン毎の演奏、ハーフタイムの演奏など、大学へのコネクションとプライドを作り出すのに大きく貢献している。Michiganの試合に行って「Hail to the Victors」の曲が流れないと言う状況は想像できない。
◆ 大学に行くと学生は大学のカルチャーを完全に取り込むが、そのカルチャーの中心がカレッジスポーツである。スポーツチームが大学のために生み出すプライドは単に娯楽スポーツの域を超えており、毎週自分の出身校のチームの試合を観ることで、その気迫こもったプレーを楽しむだけでなく、かつての栄光を思い起こすものである。
・・・なんか大げさな意見もありますが、それだけ思い入れが強いと言うことなのでしょう。
中でも一番人気があるのはNFLです。フットボールはスピード、パワー、知性、チームプレーの全てを要するため、アメリカ人のフットボール好きは半端ではありません。毎年Forbesが誌発表するプロスポーツチームのバリュエーションでも一番高いのはNFLのチームで、試合数が他のスポーツに比べてはるかに少ないにも関わらず、試合の放送権などもものすごい金額で取引されます。
そのNFLですが、選手の多くは大学でフットボールをプレーしていた経験があり、全米大学フットボール(カレッジフットボール、NCAA)が日本のプロ野球にとっての高校野球のような役割を果たしています。アメリカでは、NFLの人気にも増してカレッジフットボールの人気ぶりも尋常ではありません。シーズンは秋冬ですが、毎週土曜日になると、地元にいればみんなスタジアムやその脇の駐車場に繰り出してBBQをしたり試合を観て騒いだり、地元にいなくてもスポーツバーや友達の家に集まって大盛り上がりです。多くの試合が10万人近い観客を動因することを考えると、その人気ぶりが伺えます。
私自身も留学先の大学が強いのでカレッジフットボールの大ファンですが、その異様なまでの人気の秘訣はなのか、会社の若者達に聞いてみました。以下にその翻訳(ほぼ無修正)を載せます。フットボールに全く興味なくても、結構面白いのでよかったら。
◆ 人々は様々な理由から大学との「つながり(コネクション)」を感じ、それはプロチームとのコネクションより強いことが多い。例えばMinneapolisに住むミネソタ大学出身者は、Vikings(NFLチーム)よりもGophers(大学チーム)により強いコネクションを感じるものである。(広い国土に対してプロチームの数が限られていること、フランチャイズの移動が頻繁に行われることなども、プロチームより大学チームに、より強いコネクションを感じる人が多いことの理由と思われる)
◆ 大学生はプロ選手と違って巨額の契約金を受け取らないので、「心の歪んだ(Spoiled)」アスリートの問題が少ない。どんなに大物でもTerrell Owensのような「歪んだ野郎」とのコネクションを感じるのは極めて困難。(他にもPhiladelphia EaglesのTerrell Owensの態度を、世界は自分の物のように振舞う態度は許せない、Terrell Owensシンドローム=腐ったプロスポーツ選手問題の代名詞、との意見多数。ちょうど今日だか同氏は出場停止処分を受けた。)
それに対してUSC(南カリフォルニア大学)のクオーターバックで去年ハイズマン・トロフィー(MVP)を獲得したMatt Leinartは、今でも私欲ではなく大学のために心を入れてプレーしているのが伝わってくる。今年USCがライバルNotre Dameに最後の数秒で逆転勝利した後にMatt Leinartが流した涙=「Priceless」。◆ 大学は4年間しかなく、限られた試合数の内で全てを出し切らなければいけないので、よりガッツのあるプレーが見れる。選手もいいプレーを見せないとNFLに入れないので必死である。4年間を通じての選手の成長ぶりと、NFLに入った後の活躍をフォローしていくのは大変楽しい。
◆ 大学間での力が拮抗しており、シーズンを通じて「確実に勝てる」と言う試合が極めて少ないため、興奮度を煽る。
◆ NFLと違い、カレッジでは複雑なシステム(BCSと呼ばれるコンピュータシステム)によって計算されたランキングが全大学に「毎週」付与される。そして試合毎にランキングが上下するため大きな注目の対象となる。(今週は4位のあそこが8位のあそこに負けたらしい!うちの大学のランキングはどうなるのか?みたいに。)
◆ BCSシステムには異論反論が多く、システムは毎年のように変更される。よって「どうなるか分からない」感が面白い。これはプロでは考えられないことで、プレーオフなどでランキングをはっきりさせるが、カレッジにはプレーオフもなく、チャンピオン決定戦の前後まで「いやあっちが上だ、こっちが上だ」と言う議論が尽きない。
◆ シーズンが8月末から11月末と短いため、全ての試合結果が極めて重要となる。NFLのBearsは2勝7敗から復活してディビジョン優勝をすることも可能だろうが、カレッジのチームは2勝4敗でも、リーグ(Big Ten、Pac Tenなど)優勝さえ決めるのは不可能となる。
◆ 大学間のライバル戦(早慶戦のようなもの)は長い歴史があり、「NY出身だからBostonは嫌い」と言うレベルのものではない。みんなライバルチームにだけは絶対に負けたくないと真剣に考えており、それが何世代にも渡って続いている。(ライバル戦の前にはみんな車の後ろに紐をくくりつけてライバル校のマスコットを引きずって走ったり、ヘリコプターでキャンパスを急襲してマスコットの銅像にペンキをかけるなどの事件も。)
◆ カレッジフットボールには、他のスポーツにない独特の伝統がある。歴史あるトロフィーの懸かった試合、勝った後にヘルメットにステッカーをつける伝統、相手チームのロッカールームがピンク一色で統一されているなど、その大学のファンでなくても注目したくなる試合が沢山ある。
◆ 大学ごとの応援歌(Fight Songs)。これには説明はいらない。(訳注:アメリカの大学は応援歌を誇りに思っており、自分の車のクラクションを大学の応援歌に改造したり、結婚式で流したりする人がいるほど。試合中頻繁にかかる応援歌は頭に残るため、シーズン中は職場でも、みんなどこかの大学の応援歌を口ずさんでいたりする)
◆ 応援歌を演奏するマーチングバンドの存在。これはプロにはない楽しさである。いいプレーやタッチダウン毎の演奏、ハーフタイムの演奏など、大学へのコネクションとプライドを作り出すのに大きく貢献している。Michiganの試合に行って「Hail to the Victors」の曲が流れないと言う状況は想像できない。
◆ 大学に行くと学生は大学のカルチャーを完全に取り込むが、そのカルチャーの中心がカレッジスポーツである。スポーツチームが大学のために生み出すプライドは単に娯楽スポーツの域を超えており、毎週自分の出身校のチームの試合を観ることで、その気迫こもったプレーを楽しむだけでなく、かつての栄光を思い起こすものである。
・・・なんか大げさな意見もありますが、それだけ思い入れが強いと言うことなのでしょう。
by harry_g
| 2005-11-06 06:07
| その他全般


