2005年 11月 02日
「株主経営」は浸透するか |
日本では、村上ファンドやインターネット企業の動きは、「敵対的買収」、「マネーゲーム」などと言って、一方的に批判されることが多いようです。もちろん友好的M&Aですらあまり普及していない日本において、アグレッシブな株主行動が簡単には受け入れられないのは理解できますが、理解できないのは、「そもそも企業がもうちょっと株主を向いた経営をすれば良いじゃないか」、と言う論調があまり広がらないことです。
アメリカのケースを見てみると、株式投資が一般に広く普及していることもあり、「株主経営」はもはや常識となっています。企業経営者は常に企業価値を向上させる方法を考え、株主からの要求に応えようと必死です。(だからこそ投資銀行もコンサルティング会社も、仕事が沢山あるわけです。)
また最近よくニュースで目にする「アクティビスト」と言われる投資家も、アメリカには多く存在します。そしてそれらの行動がメディアなどの批判の対象になることは滅多になく、むしろいかに企業側がアクティビスト側の要求に回答しているかにスポットライトが当たっています。
もちろん日本においては、まだまだ「会社=社員の運命共同体」であり、「会社は株主(実際は広義のステークホルダー)のためにある」と言う考え方自体、カルチャーに馴染まないであろうことは想像に難くありません。それでも興味深いことに、マスコミではなくインターネット上の議論などを見ていると、アクティビストファンドの動きを歓迎する向きは多いようです。個人投資家にとってはアクティビストのおかげで株価が上がってくれれば万々歳でしょうし、広い視野を持った若い世代の人々は、あまりに「保守的」な現世代経営陣に対する閉塞感もあるのかもしれません。
アクティビストの善悪など議論は尽きないところですが、ポイントは、「株価が上昇すると言うことはよいことではないか?それなら何故株主経営をしないのか?」と言うことです。
日本では株式投資が普及していないと言われますが、実態は一般の人々も、銀行や保険会社を通じて、将来受け取るはずの年金資金等を間接的に株式に投資しているはずです。と言うことは、株価が上昇すればするほど約束されたお金が支払われる確率も高くなるわけで、社会不安を取り除く一助になる気がします。また、株価が上昇して企業が有利な成長資金調達が出来るようになれば、金融市場の活発化はもちろんのこと、ひいては景気回復も助長し、雇用創出や賃金上昇、究極的には国の長期的発展につながるかもしれません。それなのに「敵対的買収」や「アクティビスト」と言った手法ばかりを取り上げて批判し、株主経営の重要性が議論されないのは何とも不思議でかつ残念な話です。
私は日米双方で投資銀行業務を担当して来たため、両国の企業カルチャーの違いや、経営者のコーポレートファイナンスに対する考え方は、良く分かっているつもりです。その上で、「どうすれば日本の経営者を説得して企業価値増大の重要性を認識してもらえるか」、と言うことについては、常に考えさせられます。アメリカの手法が全て良いとは思いませんが、現状では株主価値はほぼ無視されていると言っても過言ではない気がします。
やはり今まで外資系投資銀行がやってきたように、今後も忍耐強くマネジメントに株主経営の重要性を説いていくしかないのでしょうか?それとも「黒船到来」ではありませんが、ある程度強行的な動きを見せることで、危機感を煽るのが良いのでしょうか?それとももっと根本的に、年金を自己責任運用に変えるなどして国民全体を「株主化」し、世論が株主経営を求めるようにするしかないのでしょうか?
・・・それが分かれば苦労しないよ、と言う声が聞こえてきそうですが、せっかくですので是非皆さんの意見をお聞かせ頂ければと思います。
アメリカのケースを見てみると、株式投資が一般に広く普及していることもあり、「株主経営」はもはや常識となっています。企業経営者は常に企業価値を向上させる方法を考え、株主からの要求に応えようと必死です。(だからこそ投資銀行もコンサルティング会社も、仕事が沢山あるわけです。)また最近よくニュースで目にする「アクティビスト」と言われる投資家も、アメリカには多く存在します。そしてそれらの行動がメディアなどの批判の対象になることは滅多になく、むしろいかに企業側がアクティビスト側の要求に回答しているかにスポットライトが当たっています。
もちろん日本においては、まだまだ「会社=社員の運命共同体」であり、「会社は株主(実際は広義のステークホルダー)のためにある」と言う考え方自体、カルチャーに馴染まないであろうことは想像に難くありません。それでも興味深いことに、マスコミではなくインターネット上の議論などを見ていると、アクティビストファンドの動きを歓迎する向きは多いようです。個人投資家にとってはアクティビストのおかげで株価が上がってくれれば万々歳でしょうし、広い視野を持った若い世代の人々は、あまりに「保守的」な現世代経営陣に対する閉塞感もあるのかもしれません。
アクティビストの善悪など議論は尽きないところですが、ポイントは、「株価が上昇すると言うことはよいことではないか?それなら何故株主経営をしないのか?」と言うことです。
日本では株式投資が普及していないと言われますが、実態は一般の人々も、銀行や保険会社を通じて、将来受け取るはずの年金資金等を間接的に株式に投資しているはずです。と言うことは、株価が上昇すればするほど約束されたお金が支払われる確率も高くなるわけで、社会不安を取り除く一助になる気がします。また、株価が上昇して企業が有利な成長資金調達が出来るようになれば、金融市場の活発化はもちろんのこと、ひいては景気回復も助長し、雇用創出や賃金上昇、究極的には国の長期的発展につながるかもしれません。それなのに「敵対的買収」や「アクティビスト」と言った手法ばかりを取り上げて批判し、株主経営の重要性が議論されないのは何とも不思議でかつ残念な話です。
私は日米双方で投資銀行業務を担当して来たため、両国の企業カルチャーの違いや、経営者のコーポレートファイナンスに対する考え方は、良く分かっているつもりです。その上で、「どうすれば日本の経営者を説得して企業価値増大の重要性を認識してもらえるか」、と言うことについては、常に考えさせられます。アメリカの手法が全て良いとは思いませんが、現状では株主価値はほぼ無視されていると言っても過言ではない気がします。
やはり今まで外資系投資銀行がやってきたように、今後も忍耐強くマネジメントに株主経営の重要性を説いていくしかないのでしょうか?それとも「黒船到来」ではありませんが、ある程度強行的な動きを見せることで、危機感を煽るのが良いのでしょうか?それとももっと根本的に、年金を自己責任運用に変えるなどして国民全体を「株主化」し、世論が株主経営を求めるようにするしかないのでしょうか?
・・・それが分かれば苦労しないよ、と言う声が聞こえてきそうですが、せっかくですので是非皆さんの意見をお聞かせ頂ければと思います。
by harry_g
| 2005-11-02 16:24
| 株主経営・アクティビスト


