2005年 10月 15日
米住宅価格はバブルか? |
昨日も書きましたが、アメリカではここ数年の急速な住宅価格の値上り(年利10%超)を受けて、「住宅バブル」論が頻繁にメディアで取りざたされています。
アメリカの住宅価格は、そもそも何で値上りしているのでしょうか?私は専門家ではないのでこれはあくまで個人的意見ですが、ここ10年くらいでアメリカの住宅価格が大幅に上がってきたのは、かつてアメリカの家の値段が「所得水準=購買力」と比べて割安すぎたためだ、と考えています。
アメリカでは、その広大な国土を背景に、家は「大きくて安い」のが常識、と思われていました。今でも地域によっては、写真のような、ベッドルームが5つ、バスルームが3つ、巨大なリビング、キッチン、ダイニング、書斎に裏庭と地下室まである豪邸が、20万ドル(2200万円)程度で売られています。
でも実際には、マンハッタンやカリフォルニアの海岸沿い、大都市にアクセスのよい住宅地など、魅力的な土地は限られており、先進国で唯一と言っていい人口の増加が続くアメリカでは、そういう所に住みたいと思う人は増える一方です。そう考えると、「アメリカは広い」と理由だけで家の値段が日本などの先進諸国と比べて安いことを正統化できる理由は特にないことになります。
そう言った事に人々が気づき始めたのか、金融のグローバル化のおかげなのか分かりませんが、96年頃から低金利と景気回復の後押しもあり、住宅価格は急速に上昇して来ました。そして、まず持ち家を持っている人が数年で値段が何千万も上るなどの恩恵を被り、そういうオイシイ話を聞いた投資家が一斉に市場に参入し、住宅価格の値上りを後押ししているわけです。
実際、上で書いたようなサイズの家は、NY近郊では1億円を超える物件も珍しくありません。(それでも大きさや所得水準で比較すると、日本よりは安い感じがします。)また、アメリカ人が引退後に住みたいと思うような地域、具体的にはMiami、Las Vegas、Californiaの一部などは、投資家による家の購入率が大半を占める、「バブル(投機)」と言える状態になっているようです。
家の価格はどこまで上がる?
では、住宅価格はどこまで上がるのでしょうか。
それには金利や景気など、様々な要因が関係して来ますが、仮に上の「購買力仮説」がある程度正しいとすると、「所得水準と比べて妥当なレベルまで」、と言えると思います。
不動産と言っても要は「家」なわけですから、周辺に住んでいる人の年収でローンを組んでも全然買えないような値段になってしまったら、どんなにいい場所にある家もやはり売れなくなると思います。(マンハッタンやビバリーヒルズなど、大金持ちや外国人がキャッシュで買っているマーケットは例外ですが。)実際高所得者が多いNY、Boston、SFなど近郊でも、家の値段が2億円に近づくと、値段が急速に頭打ちになっているようです。
また、投資家が狙うような住民の多くが賃貸しているような地域では、インカムゲインがマイナスになるレベルまで物件価値が上昇すると、不動産を所有しているだけで毎月お金が出て行ってしまうので、投資家の購買意欲を冷やし、結果的にある程度価格上昇が頭打ちになる可能性があると思っています。(不動産投資のリターンについては前回のブログを参照してください。)先ほど書いたMiamiなどでは、完全に毎月の投資キャッシュフローはマイナスになっているそうです。(写真はWest Palm Beachで、ここも最近急速にコンドミニアムが建設され、投資家の資金が流入しています。)
よって、ブログのタイトルに対する結論としては、「バブル」とはそもそもファンダメンタルズ価値から乖離した物件価格の上昇を指すので、地域によってはアメリカの住宅価格はバブルと言える状態になっている気がします。そしてそれ以外の地域も、バブルでなければマーケットは「加熱」状態にあることは間違いありません。
そういった状態では、いかに価値が「妥当」でも、心理的要因で価格が一時的(または数年間にわたって)下落する可能性は十分にあると思っています。ただ、不動産市場には株式市場のような流動性はないので、「バブル崩壊」と言うよりも、「ゆっくりとした地すべり」みたいな感じでしょうが。
そんな事を考えながら不動産投資をしているわけですが、こういった「加熱マーケット」環境でどうやって投資利益を上げるかについては、また今度書いてみたいと思います。
アメリカの住宅バブルに関する皆さんのお考えも、是非お聞かせ下さい。
アメリカの住宅価格は、そもそも何で値上りしているのでしょうか?私は専門家ではないのでこれはあくまで個人的意見ですが、ここ10年くらいでアメリカの住宅価格が大幅に上がってきたのは、かつてアメリカの家の値段が「所得水準=購買力」と比べて割安すぎたためだ、と考えています。
アメリカでは、その広大な国土を背景に、家は「大きくて安い」のが常識、と思われていました。今でも地域によっては、写真のような、ベッドルームが5つ、バスルームが3つ、巨大なリビング、キッチン、ダイニング、書斎に裏庭と地下室まである豪邸が、20万ドル(2200万円)程度で売られています。
でも実際には、マンハッタンやカリフォルニアの海岸沿い、大都市にアクセスのよい住宅地など、魅力的な土地は限られており、先進国で唯一と言っていい人口の増加が続くアメリカでは、そういう所に住みたいと思う人は増える一方です。そう考えると、「アメリカは広い」と理由だけで家の値段が日本などの先進諸国と比べて安いことを正統化できる理由は特にないことになります。そう言った事に人々が気づき始めたのか、金融のグローバル化のおかげなのか分かりませんが、96年頃から低金利と景気回復の後押しもあり、住宅価格は急速に上昇して来ました。そして、まず持ち家を持っている人が数年で値段が何千万も上るなどの恩恵を被り、そういうオイシイ話を聞いた投資家が一斉に市場に参入し、住宅価格の値上りを後押ししているわけです。
実際、上で書いたようなサイズの家は、NY近郊では1億円を超える物件も珍しくありません。(それでも大きさや所得水準で比較すると、日本よりは安い感じがします。)また、アメリカ人が引退後に住みたいと思うような地域、具体的にはMiami、Las Vegas、Californiaの一部などは、投資家による家の購入率が大半を占める、「バブル(投機)」と言える状態になっているようです。
家の価格はどこまで上がる?
では、住宅価格はどこまで上がるのでしょうか。
それには金利や景気など、様々な要因が関係して来ますが、仮に上の「購買力仮説」がある程度正しいとすると、「所得水準と比べて妥当なレベルまで」、と言えると思います。
不動産と言っても要は「家」なわけですから、周辺に住んでいる人の年収でローンを組んでも全然買えないような値段になってしまったら、どんなにいい場所にある家もやはり売れなくなると思います。(マンハッタンやビバリーヒルズなど、大金持ちや外国人がキャッシュで買っているマーケットは例外ですが。)実際高所得者が多いNY、Boston、SFなど近郊でも、家の値段が2億円に近づくと、値段が急速に頭打ちになっているようです。
また、投資家が狙うような住民の多くが賃貸しているような地域では、インカムゲインがマイナスになるレベルまで物件価値が上昇すると、不動産を所有しているだけで毎月お金が出て行ってしまうので、投資家の購買意欲を冷やし、結果的にある程度価格上昇が頭打ちになる可能性があると思っています。(不動産投資のリターンについては前回のブログを参照してください。)先ほど書いたMiamiなどでは、完全に毎月の投資キャッシュフローはマイナスになっているそうです。(写真はWest Palm Beachで、ここも最近急速にコンドミニアムが建設され、投資家の資金が流入しています。)よって、ブログのタイトルに対する結論としては、「バブル」とはそもそもファンダメンタルズ価値から乖離した物件価格の上昇を指すので、地域によってはアメリカの住宅価格はバブルと言える状態になっている気がします。そしてそれ以外の地域も、バブルでなければマーケットは「加熱」状態にあることは間違いありません。
そういった状態では、いかに価値が「妥当」でも、心理的要因で価格が一時的(または数年間にわたって)下落する可能性は十分にあると思っています。ただ、不動産市場には株式市場のような流動性はないので、「バブル崩壊」と言うよりも、「ゆっくりとした地すべり」みたいな感じでしょうが。
そんな事を考えながら不動産投資をしているわけですが、こういった「加熱マーケット」環境でどうやって投資利益を上げるかについては、また今度書いてみたいと思います。
アメリカの住宅バブルに関する皆さんのお考えも、是非お聞かせ下さい。
by harry_g
| 2005-10-15 00:04
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