2005年 10月 02日
New England |
先週ちょっとした仕事でボストンに日帰りで行って来ました。
NYとボストンは車で4時間半と近いので、デルタ航空が「シャトル」と言う1時間に一本の定期便を運行しています。シャトルはチェックインも簡易で、マンハッタンからタクシーで乗り付けてその10分後には指定席なしの座席に落ち着いている、なんてこともザラにあります。
このNY-ボストンシャトル、実は結構気に入っています。と言うのは、フライト時間が45分程度と短く、飛行機が低空飛行なため、眼下の街並みがよく見えるからです。
アメリカ東海岸のNYより北をNew England地方と呼びますが、このシャトル、まさにその中でも最も栄えているであろう、コネチカット州、ロードアイランド州、マサチューセッツ州の順番に飛んでいきます。そのうち大半は、コネチカットの海岸沿いを、右手にロングアイランド(NY州)を望みながら飛ぶことになります。(地図へのリンクはこちら)
飛行機はNYクイーンズから飛び立つと、まずNY市の東側、ロングアイランド島の上空をかすめます。NYにほど近いロングアイランドの海沿いはマンハッタン通勤圏の結構な高級住宅地で、ヨットハーバーやゴルフ場がいくつも見えます。最近ソニーアメリカに勤めている業界出身の友人(アメリカ人)がその辺りに家を買ったので、今度遊びに行こうと思っています。(その地域の家は最近の不動産価格の高騰で相当な値段になっているはずなのですが、ソニーもアメリカではウォールストリートの経験があったりMBAを持っている人材を雇うために、数千万円の給料を払っているようです。)
その後飛行機は、ロングアイランド海峡を渡ってコネチカット州上空に向かいます。そしてコネチカットに入ると、眼下にはニューイングランドの緑豊かな住宅地が広がって来ます。
その住宅地の中に、多くのヘッジファンドが本拠を置いていることで有名な「グリニッヂ」があります。グリニッヂは、NYから電車で40分くらいボストン方面に行ったところにある何の変哲もない街なのですが、元々NYまで通勤圏の高級住宅地であったこともあり、ある時からヘッジファンドが集まるようになりました。かつてソロモンブラザーズの大物トレーダー、ジョン・メリウェザーとノーベル経済学者を抱えて一世を風靡したLTCMもグリニッヂにあり、LTCMの優秀なファンドマネージャー達は、湖の対岸の自宅からボートや高級車で緑に囲まれた低層のオフィスビルに乗り付けていたそうです。(と、同じビルに入居していたヘッジファンドを買収していた長銀出身の元上司が言っていました。)
グリニッヂの東隣には「スタムフォード」と言う街があり、住宅地の中で突然10階建てくらいのオフィスビルがいくつも現れます。この街は郊外のオフィス街として開発された街で、UBSを始めいくつかの金融機関が集まっています。UBS(スイス銀行)は証券部門の本拠をロンドンに置くグローバルな金融機関で、富裕層向けのプライベートバンキング業務を中心に、巨大な資産運用部門と投資銀行(証券)部門を持っています。スタムフォードにある同社証券部門のトレーディングフロアは、世界最大の大きさと言われています。(中に入ると巨大な体育館と言う感じで、実際にフットボールフィールドほどあるとか。。。)
その先をしばらく飛ぶと、「ニューヘイブン」と言うYale大学がある街があります。(さすがに上空から大学のキャンパスは確認できませんでしたが。)Yaleのキャンパスには行ったことないのですが、さぞキレイなんだろうと想像します。ただ、ちょうどNYとボストンの中間地点辺りの不便な場所なため、大学では勉強しかやることがない、と友人が嘆いていたのが思い出されます。
そうこうしているうちに、対岸に見えているロングアイランドが徐々に細くなって行き、仕舞いには途切れてしまうわけですが、その先端部分が、有名な「ハンプトンズ」です。ハンプトンズはいわゆるビーチリゾートで、そこにビーチハウス(別荘)を持っていることは、NYで働く者にとってのステータスとなっています。(映画「ウォールストリート」でも、Gordon Gekkoがビーチハウスを持っていましたね。)フロリダのような白砂のビーチという感じでは決してないのですが、それなりの雰囲気をかもし出しています。
アメリカのバンカーは、中堅クラス以上になってくると、みんな別荘をハンプトンズやニュージャージー、アップステートNYの湖沿いなどに買い始めます。そして週末になると、マンハッタンのマンションを後にして家族・子供を連れて別荘に行き、BBQをしたり釣りをしたりと郊外での生活をエンジョイするわけです。よって投資銀行では、ディールの際に作成するWGL(Working Group List=連絡帳)のシニアバンカーの欄には、大抵自宅と別荘両方の連絡先が載っています。
話がそれましたが、そのままコネチカットの海岸沿いを東北に向かって飛んでいくと、ちょっとした湾口と栄えた街が見えてきます。ロードアイランド州プロビデンスです。ボストンにほど近いプロビデンス周辺も、上空から眺めている限りでは、ヨットハーバーやゴルフ場、湖などに恵まれた、緑豊かな住宅地と言う感じです。
そしてプロビデンスには、メディア・通信業界に投資するプライベートエクイティファンド大手の、Providence Equity Partnersがあります。同社は最近、元FCC(連邦通信委員会)長官のMichael Powelを雇ったことで注目を浴びましたが、同社のポートフォリオ企業には、Warner Music、MGM、PanAmSatなどがあります。同社オフィスにはさすがに訪問したことはないですが、ビデオカンファレンスをすると、みんなビジネスカジュアルで、何となくリラックスした雰囲気が伝わって来ます。(実際の職場は相当「激しい」らしいですが。)偶然かもしれませんが、プロビデンスではいくつかのプライベートジェットを見かけました。PEファンドの大物達は、みんな自社ジェットで旅をしていると聞きます。
プロビデンスを過ぎると、飛行機は海岸線を離れて北上し始め、5分もしないうちにボストンに向かって下降を始めます。ニューイングランド地方の首都とも言えるボストンは、金融の街として栄え、Fidelityをはじめとする資産運用会社や多くのPEファンドがボストンに本拠を構えています。
最近アメリカでは、学卒で投資銀行に入り、2,3年経験を積んだ後、PEファンドで更に2年間アソシエイトプログラムの名目で経験を積んでからMBAに行く人が多くなっています。実際、投資銀行で一緒に働いた若者の多くが、今やボストンのPEファンドで働いています。KKRやProvidenceのような大手PEは、この二年間のプログラムに、投資銀行の1.5倍以上の破格の給料を払って、投資銀行のトップアナリストをひきつけるのですが、仕事スタイルは投資銀行並かそれ以上に厳しいと聞きます。それに対してボストンにある中堅のPEだと、ライフスタイルは9時-8時程度で、大手よりも多くの責任を持たせてもらえる、と、若者の間で人気です。
そんなことを考えているうちに、右手には「ボストン茶会事件」で有名なボストン湾が見えて来ます。ボストン湾も青い海に白いヨットが映える、大変美しいところです。これでNew England上空の旅も終わりですが、こうやって眺めていると、つくづく魅力的な土地だなと実感します。これで冬がもう少し短いと良いのですが。。。(だからこそ成功した人たちは冬をフロリダ、夏をボストンやNYで過ごすのでしょうが。)
そうこうしているうちに、キャプテンから機内アナウンスが。。。
「Thank you for flying this bankrupt airlines today!」
(本日はこの破産した航空会社をご利用頂きありがとうございました)
客爆笑。
NYとボストンは車で4時間半と近いので、デルタ航空が「シャトル」と言う1時間に一本の定期便を運行しています。シャトルはチェックインも簡易で、マンハッタンからタクシーで乗り付けてその10分後には指定席なしの座席に落ち着いている、なんてこともザラにあります。
このNY-ボストンシャトル、実は結構気に入っています。と言うのは、フライト時間が45分程度と短く、飛行機が低空飛行なため、眼下の街並みがよく見えるからです。
アメリカ東海岸のNYより北をNew England地方と呼びますが、このシャトル、まさにその中でも最も栄えているであろう、コネチカット州、ロードアイランド州、マサチューセッツ州の順番に飛んでいきます。そのうち大半は、コネチカットの海岸沿いを、右手にロングアイランド(NY州)を望みながら飛ぶことになります。(地図へのリンクはこちら)
飛行機はNYクイーンズから飛び立つと、まずNY市の東側、ロングアイランド島の上空をかすめます。NYにほど近いロングアイランドの海沿いはマンハッタン通勤圏の結構な高級住宅地で、ヨットハーバーやゴルフ場がいくつも見えます。最近ソニーアメリカに勤めている業界出身の友人(アメリカ人)がその辺りに家を買ったので、今度遊びに行こうと思っています。(その地域の家は最近の不動産価格の高騰で相当な値段になっているはずなのですが、ソニーもアメリカではウォールストリートの経験があったりMBAを持っている人材を雇うために、数千万円の給料を払っているようです。)
その後飛行機は、ロングアイランド海峡を渡ってコネチカット州上空に向かいます。そしてコネチカットに入ると、眼下にはニューイングランドの緑豊かな住宅地が広がって来ます。
その住宅地の中に、多くのヘッジファンドが本拠を置いていることで有名な「グリニッヂ」があります。グリニッヂは、NYから電車で40分くらいボストン方面に行ったところにある何の変哲もない街なのですが、元々NYまで通勤圏の高級住宅地であったこともあり、ある時からヘッジファンドが集まるようになりました。かつてソロモンブラザーズの大物トレーダー、ジョン・メリウェザーとノーベル経済学者を抱えて一世を風靡したLTCMもグリニッヂにあり、LTCMの優秀なファンドマネージャー達は、湖の対岸の自宅からボートや高級車で緑に囲まれた低層のオフィスビルに乗り付けていたそうです。(と、同じビルに入居していたヘッジファンドを買収していた長銀出身の元上司が言っていました。)
グリニッヂの東隣には「スタムフォード」と言う街があり、住宅地の中で突然10階建てくらいのオフィスビルがいくつも現れます。この街は郊外のオフィス街として開発された街で、UBSを始めいくつかの金融機関が集まっています。UBS(スイス銀行)は証券部門の本拠をロンドンに置くグローバルな金融機関で、富裕層向けのプライベートバンキング業務を中心に、巨大な資産運用部門と投資銀行(証券)部門を持っています。スタムフォードにある同社証券部門のトレーディングフロアは、世界最大の大きさと言われています。(中に入ると巨大な体育館と言う感じで、実際にフットボールフィールドほどあるとか。。。)その先をしばらく飛ぶと、「ニューヘイブン」と言うYale大学がある街があります。(さすがに上空から大学のキャンパスは確認できませんでしたが。)Yaleのキャンパスには行ったことないのですが、さぞキレイなんだろうと想像します。ただ、ちょうどNYとボストンの中間地点辺りの不便な場所なため、大学では勉強しかやることがない、と友人が嘆いていたのが思い出されます。
そうこうしているうちに、対岸に見えているロングアイランドが徐々に細くなって行き、仕舞いには途切れてしまうわけですが、その先端部分が、有名な「ハンプトンズ」です。ハンプトンズはいわゆるビーチリゾートで、そこにビーチハウス(別荘)を持っていることは、NYで働く者にとってのステータスとなっています。(映画「ウォールストリート」でも、Gordon Gekkoがビーチハウスを持っていましたね。)フロリダのような白砂のビーチという感じでは決してないのですが、それなりの雰囲気をかもし出しています。

アメリカのバンカーは、中堅クラス以上になってくると、みんな別荘をハンプトンズやニュージャージー、アップステートNYの湖沿いなどに買い始めます。そして週末になると、マンハッタンのマンションを後にして家族・子供を連れて別荘に行き、BBQをしたり釣りをしたりと郊外での生活をエンジョイするわけです。よって投資銀行では、ディールの際に作成するWGL(Working Group List=連絡帳)のシニアバンカーの欄には、大抵自宅と別荘両方の連絡先が載っています。
話がそれましたが、そのままコネチカットの海岸沿いを東北に向かって飛んでいくと、ちょっとした湾口と栄えた街が見えてきます。ロードアイランド州プロビデンスです。ボストンにほど近いプロビデンス周辺も、上空から眺めている限りでは、ヨットハーバーやゴルフ場、湖などに恵まれた、緑豊かな住宅地と言う感じです。
そしてプロビデンスには、メディア・通信業界に投資するプライベートエクイティファンド大手の、Providence Equity Partnersがあります。同社は最近、元FCC(連邦通信委員会)長官のMichael Powelを雇ったことで注目を浴びましたが、同社のポートフォリオ企業には、Warner Music、MGM、PanAmSatなどがあります。同社オフィスにはさすがに訪問したことはないですが、ビデオカンファレンスをすると、みんなビジネスカジュアルで、何となくリラックスした雰囲気が伝わって来ます。(実際の職場は相当「激しい」らしいですが。)偶然かもしれませんが、プロビデンスではいくつかのプライベートジェットを見かけました。PEファンドの大物達は、みんな自社ジェットで旅をしていると聞きます。
プロビデンスを過ぎると、飛行機は海岸線を離れて北上し始め、5分もしないうちにボストンに向かって下降を始めます。ニューイングランド地方の首都とも言えるボストンは、金融の街として栄え、Fidelityをはじめとする資産運用会社や多くのPEファンドがボストンに本拠を構えています。
最近アメリカでは、学卒で投資銀行に入り、2,3年経験を積んだ後、PEファンドで更に2年間アソシエイトプログラムの名目で経験を積んでからMBAに行く人が多くなっています。実際、投資銀行で一緒に働いた若者の多くが、今やボストンのPEファンドで働いています。KKRやProvidenceのような大手PEは、この二年間のプログラムに、投資銀行の1.5倍以上の破格の給料を払って、投資銀行のトップアナリストをひきつけるのですが、仕事スタイルは投資銀行並かそれ以上に厳しいと聞きます。それに対してボストンにある中堅のPEだと、ライフスタイルは9時-8時程度で、大手よりも多くの責任を持たせてもらえる、と、若者の間で人気です。
そんなことを考えているうちに、右手には「ボストン茶会事件」で有名なボストン湾が見えて来ます。ボストン湾も青い海に白いヨットが映える、大変美しいところです。これでNew England上空の旅も終わりですが、こうやって眺めていると、つくづく魅力的な土地だなと実感します。これで冬がもう少し短いと良いのですが。。。(だからこそ成功した人たちは冬をフロリダ、夏をボストンやNYで過ごすのでしょうが。)
そうこうしているうちに、キャプテンから機内アナウンスが。。。
「Thank you for flying this bankrupt airlines today!」
(本日はこの破産した航空会社をご利用頂きありがとうございました)
客爆笑。
by harry_g
| 2005-10-02 16:37
| キャリア・仕事


